●冀東防共自治政府 きとうぼうきょうじちせいふ
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日華事変直前に河北省東部にあった日本の傀儡政権。冀は河北省の略。1935年(民国24)11月25日,国民党冀東行政督察専員の殷汝耕は関東軍の命を受け通州で冀東防共自治委員会の成立を宣言し,政務長官(主席)に就任。1カ月後に冀東防共自治政府と改称し,冀東22県を管轄した。面積約8,200平方km,人口約600万人,首都通州。日本は1935年夏よりこの政府を通じてアヘン・砂糖・石油・雑貨などを密輸し,天津海関を収入減で苦しめ,華北の民族産業に大きな打撃を与えたが,1936年(民国25)をピークにこの冀東貿易は衰退し,1937年(民国26)末をもって中止された。また日本は事実上冀東を軍政下におき,道路や通信網を掌握,教育にも干渉を加えた。国民政府は腐敗し密貿易の拠点となったこの政府を承認せず,その冀察政務委員会に対する姿勢とは対照的であった。1937年7月29日,保安隊が日本人を虐殺する通州事件が発生。その後政府は唐山に移り,1938年(民国27)2月1日北京の臨時政府に合流して消滅した。