50音順    検 索

●狐 きつね

AD 

 イヌ科の哺乳類に属する中型野獣。アジア・ヨーロッパ・北アメリカなどに分布し,人里近い山林に棲息し,夜行性で昆虫や鼠などの小動物を捕食する。狐を稲荷の神使とするのは全国的なものであるが,古くは霊獣の一つと考えられていた。オサキあるいはミサキと呼び,その挙動や鳴き声によって何らかの神意を受けるといった伝承も多く,狐火狐の嫁入り狐の作立てなどの現象から1年の豊凶を占ったりもした。現在でも,関西を中心に寒施行や狐狩りが行われている。これは寒の内に狐の巣穴に食物を与え歩くものだが,そうした場所に祠を設けて稲荷社としたものが少なくない。狐に対する自然発生的な信仰が稲荷信仰に吸収されていくのである。一方,狐の霊を人に憑かせて,神の託宣を求めるという形式も出てくる。狐使いがそれで,クダ・イズナなど通常よりも小形のものを飼養して使役するとされている。これが個人や家系に特定されると憑き物筋という社会問題を引きおこす。