●狐憑き きつねつき
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狐憑きは,心理学では妄想現象の一つとみられ,その状態によって,諸々の名がつけられている。たとえば,自分がはっきりと動物になってしまったと思い,その動物が狐だと当人に認識されていれば,獣化妄想であり,自分がまったく,狐なり,あるいは神なりに変わってしまったと認識されていれば,化身妄想であり,また,神なり狐なりの動物がのりうつっていると認識されていれば憑依妄想である。憑きもの現象は,その憑かれたものの地域社会や職業と深いかかわりがあり,猟師の猿憑き・狐憑きはその代表的なものである。ほかに蛇憑き犬憑きなどがあり,インドでは虎憑き,アフリカではヒョウ憑きなどがある。狐憑きは日本だけでなく,北欧諸国からも報告がある。社会学的には,憑きものが差別の構造を組成していると指摘している。憑きものを追放するには呪術が効果的とみられ,信じられている。〔参考文献〕吉田禎吉『日本の憑きもの』1972,中央公論社