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●北前船 きたまえぶね

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 江戸時代に蝦夷地の江差・松前方面と大坂・兵庫など瀬戸内上方方面とを結んで走り回った廻船を総称する。蝦夷地と上方を結ぶ回漕業は近世初頭以来かなりの発展をみせるが,大坂と越後・出羽を結ぶ西廻り航路が寛文年間(1661〜72),河村瑞賢によって開設されると一つの転機を迎えることになる。ところで西廻り海運の主力は大名の販売する年貢米(領主米)の輸送が第一義であったから船の型も米輸送に適することに主眼が置かれてつくられた。蝦夷地がコンブ,ニシンなど海産物の大産地になったのは享保期(1716〜35)のことである。それと軌を一にして蝦夷地は米,酒,藁細工品などの大消費地となる。これらが北前船(北国船)成立の背景である。米に比べてかさだかな商品を積載するために弁財(べざい)船が発達した。北前船は初め上方への入口であった越前などの国に成立したが,やがて各地の船主もこれに乗り出し北前船の名称はしだいに広義に用いられるようになった。