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●騎士道物語 きしどうものがたり

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 西欧中世の戦士階級たる騎士をテーマにした口語文学の総称。騎士道とは,騎士が守るべき倫理的・美的行動規範であり,具体的には,忠誠心・武勇・礼節,弱者や女性(とくに貴婦人)ヘのいたわりなどをさした。中世盛期ともいうべき11〜13世紀に栄えたが,当時最も文化の進んでいたフランスで生まれ,ついで西欧各国に波及した。その作品群は,戦闘そのものや君臣間の忠誠・反逆などを題材にした「武勲詩」と,騎士の恋愛や冒険を題材にした「宮廷風物語」とに大別することができる。前者の代表ともいうべきものに,カール大帝のスペイン遠征と忠臣ローランの武勇をうたった『ローランの歌』があり,北フランスを中心に11世紀未成立した。また後者はやや遅れて,12世紀後半になって現れるが,代表的なものに,ブルターニュからおこった“アーサー王伝説”に関する一連の作品がある。ドイツでは,13世紀の初めに成立した『ニーベルンゲンの歌』が名高いが,これは民族移動期のブルグント王国に題材をとった,きわめて民族的色彩の濃いものとなっている。これらの物語(叙事詩)は,フランスでトゥルバドゥール,ドイツでミンネジンガーと称される吟遊詩人により,各地に語り伝えられた。