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●木地師 きじし

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 山中にあって椀・鉢・汁杓子・飯ベラなどを工作し暮しをたててきた職人を木地師,または木地屋と呼んでいる。椀や木鉢はロクロを使って仕上げるのでロクロ師とも呼んだ。古くはもち運びが可能な手引きロクロをもって家族とともに山に入り,原木となるトチ・ブナ・ケヤキなどを伐り倒して製品をつくる。そして山に原木がなくなると次の山へ移るという移動生活をつづけてきた。その分布はほぼ日本全国に及び,こんにちなお木地山・木地小屋・木地畑などの地名を残しているところは多い。木地山は木地師が入っていた山,木地小屋は住まいと細工場にしていた小屋である。一般に磁器の茶碗が全国的に普及していくのは明治になってからのことで,それ以前は木製の椀が日常雑器や接客用に使われていた。全国に及ぶ木地師の活動は磁器普及以前の食器の供給に大きな役割を果たしていたことはよく知られている。また日本の漆器産地を成立させていく原動力になったのも木地師の仲間であった。