●岐山 きざん
アジア 中華人民共和国 AD
中国,陝西省岐山県の東方にある山。姿が柱に似ているので天柱山ともいう。『史記』封禅書では華山(陝西省華陰県)以西の七名山の一つに挙げられる。岐山の南麓は『詩経』大雅の緜(めん)編にみえる周原で,周の祖先古公亶父(ここうたんぽ)が山岳民薫育(くんいく)に追われてこの地に移り住み,戎狄の習俗をしりぞけて農耕定着生活を営んだという。周の国号はこの周原に由来するものとされる。周原一帯からは従来,西周期の墓葬および青銅器が多数発見され,考古学上重要な地域とされてきたが,近年,「周原甲骨」と呼ばれる甲骨文を伴った西周建築遺址が発見されるに及び,その重要性が改めて確認された。周王朝の都は,文王のときに豊邑,武王のときに鎬京と西安市近郊の地に移されるが,考古学・金文史料によるならば,周原一帯は西周期を通じて周王朝にとって重要な地域であったと考えられる。