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●義経記 ぎけいき

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 軍記物語。8巻。作者未詳。室町時代初期の成立。別名『判官(ほうがん)物語』『牛若物語』。巻1から巻3までは源義経が牛若と呼ばれ,鞍馬寺に預けられた幼年期から,奥州に下り,頼朝の挙兵に参加する前半生を描いた部分である。巻4以降は,平家を攻め滅ぼすものの,頼朝から都を追われる失意多い後半生を描いている。『平家物語』『太平記』などとは異なり,義経の一代記となっている。義経が検非違使尉(けびいしのじょう)つまり判官の職にあったことから,判官物(ほうがんもの)として,後世に語りつがれていくことになる。この作品の成立事情については,柳田国男がいくつかの物語の寄せ集めであるとし,構成上の食い違いを指摘している。種々の説話や伝承が,この義経の一代記のなかに息づいているという考えであった。文学的達成となるとほかの軍記物語に劣るが,武蔵坊弁慶の描出は,詳細で興味深いものがある。