●キクユ族 キクユぞく
アフリカ ケニア共和国 AD
ケニヤのケニヤ山麓に住むバンツー語系の部族民。人口約100万。近隣にはマサイ族がいる。親族関係は父系を通じてたどり,家族や父系クランが土地を保有し,嫁の遣り取りに携わる。ヒエ・トウモロコシ・豆類などの穀物を栽培し,山羊・羊・牛を飼育しているが,肉を食するのは祭宴のときに限られる。部族内外の交易活動も盛んである。彼らの社会生活でとくに重要なのは高度に発達した年齢階梯制であり,男女とも年齢や世代に応じてさまざまなカテゴリーに区分される。この年齢階梯制の中心となるのが割礼の儀式で,男女ともこの手術を受けて初めて一人前とみなされ,結婚・出産が社会的に承認される。同時期に割礼を受ける若者同士が一つの年齢組をつくり,さらに年齢の異なるいくつかの組が集まり,一つの連隊を形成する。男は同じ組に属する男の娘とは結婚できない。政治的・法的権力は長老たちの掌中にあり,男たちは社会的地位を得るために,長老や年配者に山羊などの動物を捧げねばならない。上の世代から下の世代へと権力者が交替するさいは,イトゥイカ儀礼が行われる。