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●帰去来の辞 ききょらいのじ

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の詩人陶淵明の作品。詩人の41歳,405年(義・1)につくられたこの詩は,全文340字からなる韻文,4段で構成され,べつに散文の序をもつ。この詩の成立は,詩人の前半生と,以後死にいたるまでの隠遁生活,世俗との訣別の楔機となる最後の仕官,彭沢県令(知事)就任をあげることができる。その序に,家貧しく,四海波静かではない,ゆえにこれを求めたりと,就任の理由を述べ,さらに,少しの日をへて眷然として帰らんかなの思いあり,何となれば,質性の自然は,矯める所にあらず,と語る。詩は第1段と第3段の最初の行を,〈帰去来兮・帰りなんいざ〉でおこし,天命を楽しみつつまたなにかを疑わん,で終わる。大きく立ちふさがる世俗の矛盾や,心の屈折をくぐりぬけて到達した境地が,平明さ・おだやかさに格調をそえて,人の心を打つ。「帰去来の辞」は,詩人の生涯と作品群のクライマックスに立つものと評されている。

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