●幾何学的錯視 きかがくてきさくし
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錯視すなわち視覚的錯覚のなかの一群の現象で,平面図形の幾何学的関係(長さ・面積・方向・角度・彎曲・円弧など)が対象の客観的関係と一致せず,異なってみられる知覚現象。錯視にはこのほか反転錯視・月の錯視・対比錯視・運動の錯視がある。現在心理学で取り上げられている典型的な幾何学的錯視図形は,19世紀から20世紀初頭までに考案され,当時は空間知覚の珍奇な特殊現象として興味がもたれ,多数の説明理論が提出された。しかしゲシュタルト派以後は珍奇な現象ではなく空間知覚全般を解明する手がかりが得られるものとして研究されるようになったが,予想外に複雑な現象であることが明らかとなった。現在なお誰にも受け入れられるような統一的原理はなく,多種多法なものが含まれ,いろいろな分類も試みられているが,いずれも使宜的なもので,合理的で妥当な分類もまだ確立されていない。