●義役 ぎえき
アジア 中華人民共和国 AD
中国の南宋時代,役法により保正や保長の役についた戸の負担を軽くするため,役についていない者が田畑を提供し,そこからあがる収入で救済する制度のこと。中国では,役法といって古くから無償で公の労務につく義務を負う制度があった。職役としては,衙前(がぜん)・承符のほかに,徴税の役の里正・戸長,警察の役の耆長などがあり,南宋時代にあっても,保正副が耆長の職を,大保長・甲頭が声長の職を行い,その任には,上中の戸が組み込まれた。しかし,税を納められなかったり,逃亡したりする戸の代わりを余儀なくされる大保長に任じられて,中には破産する戸もでてきたため,前述の相互扶助制度が生まれた。しかし,官戸・形勢戸と一般の農民とのあいだには税や役の負担などの面で,大きな差があったため,それらを是正する試みとして方田均税法や経界法が実施され,公平な租税が期待されたが,官戸や形勢戸の賛意が得られず,効果を上げるにいたらなかった。