●韓非 かんぴ
アジア 中華人民共和国 AD
?〜前234(工安5)中国,戦国末に活動した法家の大成者。韓の王族に生まれ,刑名法術の学を学び,荀子にも師事した。生来ドモリであったため文章を著すことを得意とし,彼の文章を読んだ秦の始皇帝を驚嘆させたという。しかし同門の李斯の中傷にあって自殺させられた。韓非の思想はのちに『韓非子』としてまとめられたが,その中心はいかにして君主権を強化するかという政治論である。法律を厳重にし,信賞必罰をもって官僚を操り,君主の支配を貫徹して中央集権国家を樹立することが彼の理想であった。その根底には,人間は自己の利益になることを求めるものだ,という冷厳なリアリズムがある。この認識に立って儒家を批判する一方,君主権の貫徹を妨げる寵臣や伝統的勢力を厳しく非難するなど,鋭い論理の展開は法家思想の大成者にふさわしく,しばしばマキァヴェリと比較される。韓非自身は志を遂げずに死んだが,彼の思想は秦の始皇帝の法治政策に大きな影響を与えた。
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