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●カンタベリ物語 カンタベリものがたり

ヨーロッパ 英国 AD 

 イギリスの詩人チョーサー(1340ごろ〜1400)の代表作で,1387〜1400年にかけて書かれた。1万7,000行の大部分はカプレット(対句)の形式をとっている。当時流行したカンタベリ寺院のトーマス=ベケット聖人(1118ごろ〜1170)にお参りする巡礼者にその構想を得た。詩人自らもその巡礼に加わり,ロンドンのサザークの陣羽織屋に29人の巡礼が集う。宿の主人が一行を案内し,道中の楽しみとしてめいめいが行きと帰りに二つずつ話をする。最もおもしろい話をした者にはごちそうをもてなすと主人が提案する。一行は同意して騎士の話から始まるが,実際には未完のものを含めて24話しかない。この一行は上は騎士から下は粉屋・料理人にいたるまでの当時のあらゆる階層を網羅しているため,一行のあいだの応酬・皮肉・だじゃれ・ユーモアに満ちて,上品さと卑俗性とが高度に結合している。イギリス文学史上最も優れた作品の一つ。