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●寒人 かんじん

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 中国の六朝貴族社会で,上層貴族と身分的に区別される寒素な士人・庶民の呼称。寒には貧・單・素・賤の義で「いやしい」と読む。晋代では,一流の門閥貴族に比べて家格が相対的に低い二流貴族も寒門とされ,寒門の家族員が寒人といわれた。選挙の科名にも寒素の名があるから寒人は寒素な士人の謂である。南朝でも,江南豪族の南士や晩来の北士が寒門・寒人と呼ばれた例が散見されるが,ほかに天子の恩籠によって「佞倖」「恩倖」の臣となり,中書舎人そのほかの側近の官についた庶民または庶民視された下級士人が寒人と目される場合がある。これらの寒人は「吏姓寒人」と呼ばれる。官爵を与えられて権勢を誇っても,貴族から賤視され,士類とはみなされない。寒門・寒人には結婚・任官上の身分的差別があったから,僧侶・道士や軍人・法吏あるいは文士・逸民となるものが少なくなかった。

〔参考文献〕宮川尚志『六朝史研究政治社会篇』1956,日本学術振興会