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●官省符荘 かんしょうふしょう

アジア 日本 AD 

 『参語集二』には〈官省符云コトハ太政官ヨリ官符ヲ下シ民部省ヨリハ省部(符)ヲ下問,彼ニ合,コレヲ云也〉とあって,国家が公認して田租を不輸とし,または領有を公認した荘園をさす語である。律令制下の最高行政官庁である太政官,民政を直接担当する民部省が発令する官符・省符であるから根元は天皇による勅免荘と相似た性格を有する。土地の領有関係者が文書をもって朝廷に願書を奏上すると,勅をもって太政官に下される。そこから太政官は出願者に官符を下付し,一方,太政官符を受けた民部省が省符をその土地のある国衙に下し,国は国符を郡に下す。そこで国司・郡司・出願者立会いの上,荘園の四至を確認,ここに官省符荘の成立をみるのである。前記『参語集』には〈高野政所ノ近辺ノ寺領〉ともあるから,元来官省符荘は律令制下で不輪租田扱いを受けていた社寺荘園に顕著な現象であったと推測される。官省符を得た荘園の増加が律令政治の矛盾を増大したことはいうまでもない。