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●函谷関 かんこくかん

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,河南省北西部にある交通の要地。華北を東西に結ぶ隴海(ろうかい)鉄道に沿う幹線道路上にあり,新旧二つの関がある。古関は霊宝県の南西2kmのところにあり,数キロメートルにわたって険しい黄土層の狭い道がつづいていてあたかも函のなかを通るような感があるので,このように名づけられたという。いわゆる中原から西の関中に入る重要な関門であった。戦国時代(前431〜前221)に秦が東方の各国に対する防衛の拠点として設けた関で,ここを舞台にいくつかの有名な故事が生まれた。老子は,ここで関尹喜から道徳経五千言を授けられ,ここより西方に赴いて行方がわからなくなったとか,斉の孟嘗君が秦に使して逃げ帰るとき,従者が鶏の鳴声をまねて夜明け前に関守に門を開けさせ,無事追手を逃れた話など有名である。のち前漢のとき,関を東方150kmの新安県の北東に移した(前114)。これが函谷新関で,北周時代(555〜581)は通洛防と改め,北斉に対する防御基地とされ,隋以後も強固な関城がおかれていた。