●顔淵 がんえん
アジア 中華人民共和国 BC521 周
前521〜前481(昭公21〜哀公14)中国,春秋末期の儒家。名は回,字は子淵。魯の人。孔子の高弟で〈徳行は顔淵〉(『論語』先進)と称揚され〈回や其れ庶き乎,屡ば空し〉(同上)と孔子を讃嘆させた。〈賢なる哉,回や,一箪の食,一瓢の飲,陋巷に在り。人其の憂ひに堪へざらんも,回や其の楽しみを改めず,賢なる哉,回や〉(雍也)と,貧窮のうちにも隠者的生活を楽しむ求道者としての儒家の一類型を示している。彼の早逝は孔子晩年の悲嘆の最たるものであり,〈天其れを喪ぼせり〉とまでに孔子を悲嘆させた。顔淵の思想は必ずしも明白ではないが,『韓非子』顕学の儒家八流の一に「顔氏之儒」がみえ,後学の盛行をうかがわせる。『論語』微子にみられる一連の隠者説話もあるいはその所作になるものであろう。また道家の『荘子』には孔子を形式主義者として揶揄しようと,道家的人物としての顔淵が孔子と討論する説話がよくみられ,孔子を顔淵に師事させるにいたっている。