●カーリダーサ
アジア インド AD
古代インド,サンスクリット語の大詩人・劇作家。生没年代は不詳であるが,ウッジャイニーのヴィクラママーディティヤ王の宮廷に仕えた“九宝”(九文豪)の一人とされ,この王が史上グプタ朝に全盛期を築いたチャンドラグプタ2世(在位375〜414ころ)と同一人物とみなされることから,4世紀末から5世紀初めにかけて活躍したものと推定される。時代と同様,生涯も不明で,カーリダーサ(カーリー女神の下僕)の名のとおり,カーリーの熱心な信者で,女神から突然文才を授かったなど伝説も多い。いずれにせよ,『ヴェーダ』や『叙事詩』など宗教文学に続くサンスクリット語の“カーヴィヤ”(美文)文学の完成者として,また人間の心の機微や自然描写の繊細で流麗な筆致をもって,“インドのシェイクスピア”と呼ばれている。作品には,戯曲『シャクンタラー』『アグニミトラ王と王女マーラヴィカー』,抒情詩『雲の使者』『季節めぐり』,叙事詩『軍神クマーラの降誕』などがある。