●ガリカニスム
ヨーロッパ フランス共和国 AD
フランスにおける教皇権制限の主張。フランス教会に対する国王特権の擁護と,フランス聖職者の教皇権からの独立という二つの側面をもつ。この主張は中世後期にすでに存在した。14世紀初め国王フィリップ4世の法学者により「ガリア教会の自由」が唱えられた。シャルル7世治下,1438年に発布されたブールジュ国事詔書では,教皇に対する公会議の優位とフランス教会のローマからの独立が主張される。後に廃棄されるが,1516年のボローニャ政教条約は教会財産に対する課税権や聖職任命権を国王に与えた。絶対主義確立期にガリカニスムは再び強化。ルイ14世時代,1682年ボシュエ起草の「4カ条の宣言」が公布された。世俗問題について国王の独立権・公会議優位・フランス教会の慣習の尊重・教皇教令に対する教会の同意の必要という内容。この宣言は1693年教皇の反対で結局廃止されたが,その後もフランスにおいてガリカニスムの指導原理として支持され存続した。