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●鴨長明 かものちょうめい

アジア 日本 AD1155 平安時代

 1155〜1216(久寿2〜建長4)平安末期〜鎌倉初期の歌人・文学者。下鴨神社の神官の家に生まれ,青年期に大内裏炎上・福原遷都・養和の大飢饉など『方丈記』にいう〈世の不思議を見る事〉や源平合戦の無常の世を経験した。この間,和歌や琵琶を学び,1201年(建仁1)再興された和歌所の寄人(よりゅうど)となり,後鳥羽上皇に目をかけられて下鴨神社の河合(ただす)社の禰宜に推挙されたが,一族鴨祐兼たちの反対のため失墜。これを機に1204年(元久1)50歳のころ出家隠遁して大原や日野に草庵を結び,1212年(建暦2)『方丈記』を著した。この〈ゆく河の流れは絶えずして,しかも,もとの水にあらず〉という無常観を漂わせた名文に始まる『方丈記』は,後の吉田兼好の『徒然草』とともに中世随筆文学の代表とされている。ほかに,伝聞や体験にもとづいた歌論書『無名抄』・出家する苦心や往生の悦びを集めた『発心集』・自撰歌集『鴨長明集』がある。