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●甕棺 かめかん

ヨーロッパ アイルランド AD 

 遺体あるいは遺骨を納めるのに使用した甕形土器。火葬骨・遺灰を収納するものも含める場合もあるが,一般には蔵骨器として区別される。また甕形土器に代えて壺形品を用いる例も多いが,これはとくに壺棺と呼ぶ。甕棺の多くは乳幼児理葬のため,日常用器に小孔をあけて使用するが,人面を付けたものや成人用の大形品をとくに製作したものもある。

 甕棺は新石器時代のかなり古い段階から現れ,青銅器時代のころに最盛期を迎える。その分布も広く,日本・朝群・中国など東アジアはもちろん,東南アジア・南アジア・西アジア・ヨーロッパなど旧大陸諸地域のほか,南米などにも見いだせる。

 わが国では縄文文化時代前期に使用例があり,中期には成人を収納したものもあるが,縄文時代を通じてほとんどが乳幼児埋葬に関係している。弥生時代の北九州では,とくに成人用大形甕棺が発達するが,東日本では再葬墓に使用される例が注目される。