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●鉄漿付け かねつけ

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 鉄漿で歯を黒く染めること。鉄漿は,古い鉄屑を焼いて濃い茶のなかに入れ,酒・飴などを加えてつくり,鉄漿の付きをよくするためにフシの粉を使う。鉄漿付けは,中世公家や武家の男子にも行われたが,近世に入ると女性の習慣として一般化した。付け初めの時期をみると,まず,13歳になったときに十三カネツケ・十三詣り・十三祝などといって,一人前の女性になった披露をする成女式として歯を染める地方がある。また,未婚・既婚に関係なく十七ガネ・十八ガネなどといって,一定の年齢に達すると染める地方がある。さらに,鉄漿付けの時期は,結納の日,結婚の前後,3日の里帰り,妊娠5カ月目などとしだいに遅れてゆき,遂には,鉄漿付けは既婚者のしるしだということにさえなった。この鉄漿付けのさいには,仮親をたて将来の世話を頼むということがあり,その親をカネオヤ・フデオヤなどという。こうした鉄漿付けの習慣は,奄美から沖縄の島々にはみられない。