●カトリック解放令 カトリックかいほうれい
ヨーロッパ 英国 AD
イギリスとアイルランドのカトリック教徒に対して設けられていた差別的規定を撤廃した法令。1829年成立。イギリス国教会成立以後,カトリック弾圧は17世紀末に審査律やアイルランドに対して設けられた種々の刑罰法などによって強化され,その結果カトリック教徒は公職追放や職業制限,土地購入・宗教教育・長子相続などの禁止,10分の1税の徴収など厳しい差別を受けていた。しかしアメリカ独立に刺激され,18世紀末以来アイルランドで民族解放運動と結合した自由主義運動がおこり,差別撤廃の声が高まった。19世紀に入ると,オコンネルがカトリック協会を設立して(1822),解放運動を組織化する。1828年オコンネル自身の下院議員当選の可否をめぐって解放運動は高揚し,翌年イギリス政府も解放令を制定せざるをえなくなった。この結果,カトリック教徒は公職を解放され選挙権も獲得する。しかし差別制限の完全な撤廃は,なお時日を要した。