50音順    検 索

●カーティブ

AD 

 書記。アラビア語で“書く人”の意。書記,秘書官をさすが,一般に“剣の人”,つまり軍人に対して“筆の人”,文官を総称する場合もある。イスラーム世界では,公文書はアラビア語で作成されたが,初期の征服時代には,被征服地の言語で書かれる場合も多かった。しかし8世紀以降ディーワーン(庁・局など)の機構が整備されると,質量ともにアラビア語に堪能で,同時に事務能力に秀でた人材が必要になってきた。その要求にこたえたのがペルシア系マワーリーである。アッバース朝に仕えたバルマク一族は,その分野で頭角を現し,権勢をきわめた一例である。軍人と文官の勢力関係は,ときにより変化したが,支配王朝にとってはつねに行政上の問題を的確に処理する有能な文官群が必要であった。王朝の安定期には,官僚機構の頂点に位する大書記官の地位はきわめて高かった。ほかにも種々の書記が存在する。