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●学校教育法 がっこうきょういくほう

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学校教育法は,現行の学校制度を定めた法律であり,国立・公立および私立のすべての学校に通ずる一般原則を示している。1947年(昭和22)3月31日教育基本法と同時に公布,同年4月1日施行された。

 わが国の学校制度は,1872年(明治5)の〈学制〉によって近代的な制度として創立されて以来,近代化をめざすわが国の歴史とともに幾多の変遷をへているが,戦前の学校に関する基本法令は,1886年(明治19)以後,学校種別に,勅令で定められていた。それに対して戦後は,この学校教育法と称す法律によって,すべての学校の総括的な規定を盛り込んでいる。第二次大戦後のわが国の学校体系をはじめとする教育改革を方向づけたものは,1946年(昭和21)3月に来日した米国教育使節団の報告書であった。この報告書は,教育の基本を個人の価値と尊厳を認めることに置き,そのための教育制度は各人の能力と適性に応じて教育の機会を与えるようなものとすべきであるとの基本理念の下に,新しい学校制度として6・3・3・4制と〈6・3〉の9年間の義務制と無月謝・男女共学,高等教育の拡大と門戸の開放,教員養成制度の改善,民主的かつ地方分権的な教育行政制度など,教育制度全般にわたる改善策を勧告している。日本国政府は,この勧告を受けて,教育改革の具体案を検討することとし,同8月,内閣に「教育刷新委員会」を設けた。同委員会は教育全般にわたって根本的検討を加え,12月27日の第1回建議で〈学制に関すること〉として,6・3・3・4制をとるべきこと,小学校のほか新たに設ける修業年限3年の中学校も義務制とし,男女共学とすることなどを示した。一方,昭和21年11月3日に公布された日本国憲法には,その第26条において,〈[1]すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。[2]すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は,これを無償とする。〉とはじめて教育条項が設けられたほか,前文や第3章の〈国民の権利及び義務〉等教育の制度,内容に深く関連する諸規定が設けられた。このような憲法の規定や理念,さらには教育刷新委員会の建議に沿って,政府は教育に関する理念と諸原則を盛り込んだ教育基本法と,学校の制度及び内容に関して大綱を規定する学校教育法の法制化を進め,時の帝国議会の議をへて成立したものである。学校教育法は第1章総則,第2章小学校,第3章中学校,第4章高等学校,第5章大学,第5章の2高等専門学校,第6章特殊教育,第7章幼稚園,第7章の2専修学校,第8章雑則,第9章罰則の11章と附則から構成されている。

 第1章の総則では,学校の種類,学校の設置者,学校設置基準,学校の設置と経費の設置者負担の原則,授業料の徴収,学校の校長及び教員の資格,懲戒,学校保健,学校の閉鎖命令,学校の法令違反に対する監督庁の変更命令,学令子女の使用者の義務など各学校種別に共通な事項を定めている。第2章から第7章までは,それぞれの学校種別ごとに,学校の目的・目標,修業年限,教育課程,教科用図書,教職員の種類と職務,就学義務,入学・退学・転学,について規定するほか就学義務の猶予免除,市町村の小・中学校の設置義務,高等学校の全日制定時制・通信制,大学における教授会,研究所,大学院,公開講座などに関する事項等について規定している。学校教育法は制定後いく度か改正が加えられた。即ち,その主なものとしては,[1]高等学校の技能連携制度の採用(1961),[2]修業年限5年の高等専門学校制度の発足(1962),[3]当分の間の措置であった短期大学を恒久的な制度としたこと(1964),[4]教頭の身分の確立など教員に関する規定の整備(1974),[5]専修学校制度の発足(1975)などがある。また,従来,学校は,国・地方公共団体及び学校法人のみ設置することが認められていたが,1981年(昭和56)には,その例外として放送大学学園は大学を設置することができる旨の規定が新たに設けられた。なお,この法律を施行するため学校教育法施行令及び学校教育法施行規則が定められている。