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●片目の魚 かためのうお

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 池や清水に住む魚が片目であるという伝説。片目であることは不思議なもの,畏怖すべきもののしるしであり,片目の魚は神聖な魚として尊重されたのである。そのため片目の魚の住む池や清水の多くは,社寺の境内にある。魚が片目になった原因はいろいろ説かれている。目を傷つけられた神が憤り給うた恨みで池の魚がことごとく片目になった,魚が神に片目を棒げたため池の魚が片目になった,僧行基が食い残した魚が池に入って片目になった,片目のものの投身入水によって魚が片目になった,鎌倉権五郎景政は片目の武将として有名だが,その鎌倉権五郎が戦場で目を傷つけ,池でその傷を洗ったとき血が流れて清水に混じったので,池に住む魚が片目になったなどというものである。かかる伝承は全国的に分布するが,片目のものを尊ぶのは魚の場合ばかりではない。おそらく片目の者がよりいっそう神に親しく仕えることができるとする信仰によるものと思われる。