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●カスピ関 カスピかん

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 カスピ海の南岸一帯につらなるエルブールズ山脈とイラン高原の接する一帯をさす。ここは古くから東西交通の要地で,シルク=ロードが通っており,バグダードから出発する隊商が東方にむかうときに通る幹線道路の一つ北東ホラーサーン街道(バグダードから北上してカスピ海南部のライ・ニシャプールを通り,ブハラ・サマルカンドをへてフェルガーナにいたる道)が通っている。ここを掌握することは東西貿易の利益を独占することになるため,多くの民族が興亡している。たとえばシリア王国の1州であったパルティアが前248年アルサケスによって建国され,バクトリア(前255ごろ独立)と対立しながら前226年まで存続し得た背景には,この地域がもたらす東西貿易の利益によるところが大きかったと思われる。なお,この利益は隊商からの略奪のみを意味するのではなく,通商による利益や,交通路の安全を保証する代償として隊商から通行税を徴収することで利益をあげることをもさす。