●過所 かしょ
アジア 中華人民共和国 AD
中国における通行証の一種。中国では古来,陸路には関,水路には津が設けられ,旅行者は関津の吏に旅券を提示し通過の許可を得なければならなかった。過所の名称は古くは漢代の木簡にみられる。漢代では一般には伝・ケイ※注1※と呼ばれ,日付・旅行者の所在・旅行目的・旅券交付の申請および審査・通過関津名などが記され,公用と私用とでは若干の書式の差異がある。ほかに漢代では符や繻と称する合符の通行証もあった。唐代の過所については,滋賀県園城寺(三井寺)に智証大師円珍が唐よりもち帰った,857年(大中9)越州都督府と長安の尚書司門発給の実物が2通伝えられ,国宝となっている。唐代ではほかに,公験と称するものもあった。南宋の洪遭(1123〜1202,宣和5〜嘉泰2)が著した『容斎四筆』には,宋代に公馮・引拠が用いられたことがみえる。さらに清代になると路引・口票があった。なお,過所をもたずに関津を通過するものは,“越度”として処罰された。
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