●カシュガリー
アジア トルコ共和国 AD
?〜1087? トルコ人の著述家。生涯は不明だが,1072〜74年?にかけて,『トルコ−アラビア語辞典』を著作したことで歴史に名を残した。本書は,当時すでにイスラーム世界の名目上の主権者にすぎなくなっていた,アッバース王朝のムクタディー,アブル=カシム=アブドゥラーに献じられたものである。同書は,西南アジアおよび中央アジアを広く旅したらしい著者の,トルコ語諸方言とアラビア語の辞書にとどまらず,諸トルコ民族の歴史や伝承・風俗などに言及した,百科事典としての歴史的価値も大きい。伝承によれば,カシュガリーはこの大著を,アッバース王朝の首都であったバグダードにおいて,前述のカリフの父であった,カリフ,ムクタディーの要請によって著作を開始したらしい。なお,本書は中央アジアや中近東,東欧における非トルコ・非アラブ民族の言語や風俗にも言及している点で,歴史上の貴重な史料でもある。