●鹿島人形 かしまにんぎょう
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鹿島送り(鹿島流し・鹿島祭り)の行事に用いられる人形。鹿島送りは柴舟などに鹿島様と呼ばれる人形を乗せて川や海に流す行事で,秋田県の雄物川,米代川流域などや山本郡,青森県西津軽郡の海岸部に残り,茨城県北部の大助人形の行事や利根川下流両岸の人形送りにも鹿島様と呼ばれる人形が用いられる。行事は秋田や青森では多く田植終了後に行われ,五穀豊穣や悪疫退散を目的とする所が多い。なかには,雨乞や逆に長雨の止むのを願って,鹿島人形をつくる所もあった。これを雨晴らしの鹿島とかアマヒトと呼び,晴れると川に流したものという。秋田県に顕著に分布することは江戸時代の藩主佐竹氏が常陸から移った事実や文化年間の大地震との関係があろうと,すでに菅江真澄もその紀行『軒の山吹』で指摘している。この地方に行われていた虫送りや疫病送りなどの人形行事に鹿島信仰の影響がおよんだ結果,人形を鹿島神と認め,その威力によって災厄を送り出し,豊かな世を願う信仰が発達したものといえるだろう。以上の鹿島流しの人形以外に村境に立てられる塞の神の性格をもつ大人形の類に,鹿島と呼ばれるものがあり秋田県横手盆地などのほか,千葉県にも現存する。