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●加地子 かじし

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 国衙領や荘園において,作人が領主に支払う地子(じし)以外に,地主に対して支払う追加分のこと。ほかに,名主得分・片子(かたこ)などともいう。中世の荘園では,名主はしばしば自己の田畠の一部を作人に請作させ,そこから中間利得を得たが,これが加地子であり,作人は,本年貢・加地子合計分を名主に支払い,名主が自己の取得分の残余を領主に納めた。または,加地子のみを名主が受け取り,本年貢は領主が直接取得する形態であった。加地子に対する名主の得分権(加地子名主職)は売買・質入れの対象たり得たので,名主が部分的にほかの名主の作人となるといった重層的な土地所有関係が生じ,また,都市近郊では,土倉・高利貸業者がこれを買得集積したため,売買・貸借関係を破棄する徳政令発布の要求が頻発した。なお,近世においても,西日本方面に小作料を加地子と呼ぶ地域があった。

〔参考文献〕永原慶二『日本中世社会構造の研究』1973,岩波書店