●ガザン=ハン
AD1271
1271〜1304 イル=ハン国第7代の君主(在位1295〜1304)。第4代君主アルグンの長子で,初代フラグの曽孫にあたる。ホラーサーンの総督であったが,第6代君主バイドゥを逐って即位した。イスラーム教徒の功臣ナウルーズを宰相とし,自身もイスラーム教を信奉し,イスラーム化政策を実施した。ナウルーズ失脚後,ラシード=アッディーンを宰相に任じ,歴史書(『蒙古集史』として完成される)の編集を命じた。父祖の意志を継いでマムルーク朝の征服を企て,一時シリアを占領した。1302年のローマ教皇ボニファティウス8世宛の書簡で,シリア・パレスチナ征服を目的とするヨーロッパの君主との共同作戦を提唱したことが知られるが,実現せず,イル=ハン国のシリア出兵もガザン=ハン以後行われなくなった。土地改革・税制改革を実施して国力の充実に努め,学問・文学・芸術を奨励した。イル=ハン国を代表する名君とされている。