●カーゴ=カルト
AD1913
「積荷(つみに)信仰」と訳される千年王国運動の一つ。おもにメラネシアでおきた(なお持続されている面もある)一種の宗教運動をいう。1913年トレス海峡の北辺に位置するサイバイ島に生じた「ドイツ=ウィスリン運動」が初期のものとみなされている。典型的な例を紹介すると,指導者は祖先の乗った汽船が,貨幣・小麦粉・布類・斧・ナイフなどの文明的所産を積んで到来すると予言して,人々に集会参加を強制する。積荷を受け取るための倉庫を建て,積荷は等しく分配されると信じられた。積荷はもともと原住民のものが,白人によって盗まれたとする解釈も納得された。しかし,荷を積んだ汽船は現れない。太平洋戦争で,日本軍と連合軍が上陸したソロモン諸島ではおびただしい船舶・飛行機・自動車が現れ,各装備や食料・衣料の運び込まれるのをみて,島民は衝撃を与えられた。そして遺棄された量も膨大なものがあった。終戦後その反動とともに,司政者に対する不満が高まり,経済的な理由から発生した「マーチング=ルール」は,民族主義的な政治運動に拡大された(マアシナ=ルール)。