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●籠 かご

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 タケ・トウ・ヤナギ・アケビなど,線状のものを編んでつくった容器の総称。籠は,上代には単に「こ」と称されて広義での器の総称であったが,のちにタケを意味する「か」がつき,「かご」と呼ばれるようになり,その対象も限定されるようになったといわれる。籠はすでに原始時代から諸民族の日常生活に欠かすことのできない用具の一つとされていた。とくに東洋諸国においては,籠編みの主材料となるタケが豊富に産することから,技術面でめざましい発達を遂げた。日本においても各種の複雑な技法が編み出され,古くは正倉院宝物の花籠(けこ),近年にいたっては飯塚ロウカンサイ※注1※の作品にみられるような精巧をきわめたものまで製作されている。このように籠は単なる容器として利用されるにとどまらず,用途別の実用的なもの,さらには趣味性の高い装飾用品までさまざまに製作・使用されるようになった。

【材料と編み方】籠の材料は,主としてマダケ・モウソウチク・メダケなどのタケ材のほか,トウ・ヤナギなどが多く用いられるが,農山村においては身近に手に入るブドウ・フジなどのつる,イタヤ・マダ皮・カバ皮などの樹皮が用いられる。さらに最近では針金やビニールなどの合成樹脂が籠材料となり,おもに台所用籠に使用されることが多い。材料の処理の仕方はいずれもほぼ同じで,細いものはそのままの状態で,太いものは適当な太さに裂いて「ひご」とする。物によってはこの状態で漂白や染色がなされるが,今日では素材のもつ自然の美しさが見直され,漆などで塗装した一部の高級品を除いては,わずかに透明塗装を施す程度にとどまっている。籠編みの方法は,[1]編み目がつまった笊(ざる)編み,[2]四つ目編み,[3]六つ目編み,[4]八つ目編み,[5]網代(あじろ)編みを基本としている。これをもとに松葉・裏松葉・青海波(せいがいは)・一楽・目遺(めつぶし)・亀甲(きっこう)・麻の葉・筏(いかだ)・筵(むしろ)編み・縄編み・鬼編・畝目(うねめ)編みなど数十種もの編み方が考案されている。またこれらをいくつも組み合わせたり,乱編といって法則にこだわらずに自由に編みすすめていく方法もあり,独創性と高度な技術が要求される。

【種類と用途】一口に籠といってもさまざまの種類があり,用途によって形・大きさ・編み方などにかなりの相違がみられるが,大別すると仕事籠・家庭籠の2種に分類できる。前者はさらに,仕事の内容によって農耕用・養蚕用・漁撈用・運搬用などに分けられ,丈夫で実用的なことを第一条件としている。農耕用では,「あじか」「こしご」「こてぼ」などの種蒔籠・草刈籠の類,大小の篩(ふるい),肥出籠・野莱籠などがある。養蚕用では,摘んだ桑の葉を入れる「クワとりかご」,蚕をかう「ざま」紡ぎ糸を入れる「おぼけ」,機糸を巻き取る「かわ」「かわごく」がある。漁撈用では,筌(せん)などの漁具の類,「びく」「てぼ」「ぼてか」「ばんりょうかご」などの魚籠・魚入籠がある。運搬用では,背負籠(しょいかご)・畚(もっこ)・背負畚などがある。後者は,台所用・収納用・装飾用・包装用などに分けられ,実用性に装飾的な要素を兼ね備えているのが特徴で,編み方に工夫をこらしたものが多い。台所用では,「みそしるざる」「こめあげざる」「めざる」「のりとりざる」などの大小各種のざる類,「しおびく」「しおげ」と呼ばれる塩籠の類,ふたつきで底に台のある「そうけ」や,飯びつ形の「おはち」などの飯籠,「わりご」「たけごうり」などの弁当行季,そのほか水切り籠・はし籠・盛籠・員物籠など種類が最も多く,随所に高温多湿なわが国の夏の気候を考慮した生活の知恵がうかがえる。家具および収納用では,衣類を入れる行季(こうり)・葛籠(つづら),手紙や書類を保管する文庫籠・ちり籠・小鳥籠・籠提灯(かごぢょうちん)などがある。装飾用では,花籠・電気のかさなどがあり,編目の美しさやデザインに技巧をこらしている。

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