50音順    検 索

●夏珪 かけい

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国南宋の後期(13世紀初頭)に活躍した画家。生没年不詳。字は禹玉,銭塘(浙江省杭州)の人。寧宗朝の画院にあって待詔となり,金帯を賜わった。きわめて滋潤な水墨を用いて山水を描き,李唐よりのち第1と称され,また李唐・劉松唐・馬遠とともに南宋四大家と呼ばれた。その画風は,対角線構図法により余白を大きく取るなど南宋院体山水画様式の枠内にあるが,繊細な色彩法を駆使する同時代の画院画家のなかにあって,微妙な墨の階調のみによって山水を描くこと,画中の人物への過度の感情移入を避けることなどに特色がある。彼の,あるいはその亜流の作品は,室町時代の日本絵画に多大の影響を与えた。水墨画には,雪舟をはじめ夏珪の感化の及んでいるものは多い。また元・明代を通じて,彼の画風をつぐ画家は少なくなく,とくに浙派に著しいが,それ以後影響は急速にうすれた。真正な遺品は少なく,正筆と確認し得るものはまだ発見されない。代表作は「風雨舟行図」(ボストン美術館)。

01