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●牙軍 がぐん

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,唐・五代の節度使(藩鎮の総指揮者あるいは長官)が自己の居住している牙城を守るために設けた親衛軍。藩鎮兵力の中核的な存在位置を占めた。牙中軍あるいは牙内軍ともいわれる。牙軍の兵士は,豪商・農民・商人・群盗・罪人・奴隷など,その出身はさまざまであるが,精鋭な兵力が集められており,会府(藩鎮中枢機関が置かれている州。別名は使府)に常駐し,節度使藩鎮統治機関の警護をおもな任務とし,節度使の直接指揮下に置かれていた。藩領兵士はこのほかに牙外軍(外鎮軍)もあるが,牙軍兵士はこの牙外軍兵士よりも待遇がよかった。牙軍はのちになると,世襲的に父から子へと受け継がれ,彼らのあいだで団結を強め,節度使の追放や殺害などを行い,藩鎮内で勢力をふるう者も現れた。

〔参考文献〕周藤吉之「五代節度使の牙軍に関する一考察」東洋文化研究所紀要2,1951