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●格物致知 かくぶつちち

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の儒教哲学の用語。中国古典の『大学』では学問の順序を8条目に分けて説いた。各物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下がそれで,格物致知はその最初の2段階であるが,このことばの解釈をめぐっては古来,異説が多く,一致していない。たとえば,宋学の大成者朱子(朱熹)は宋の程頤の説を継承して,格は〈至る〉,物は〈事〉と読み,あらゆる物に即してすでに知られた理を手がかりとして,事物の理を窮極まで,日々努力してきわめつくせば,知(認識作用)を完成させられると説いた。これに対し,宋の陸九淵や明の王寺仁は,これを心の問題としてとらえた。つまり〈心即理〉である。王寺仁は格は〈正す〉,物は人が意志によってなす事自体,知は先天的な良知として,格物致知とは,事を正す,つまり,悪を去って心を正しくしてゆくならば,おのずから致良知,すなわち先天的良知を十分に明らかにすることができると説いた。