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●核心地域 かくしんちいき

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 地域の構成の上で,周辺地域あるいは従属地域に対して設定されるもので,さまざまな地域現象について,また,さまざまな地域スケールで使用される。

 まず,あるひろがりをもって,特定の現象が分布する場合,最も高密に集中するところを核心地域と呼ぶことができる。たとえば,ある種の農産物の生産がひろがっている場合,とくにその集中の著しい町とか地区である。工業生産の場合でも,工場の分布において高い集積度を示すところを工業地帯あるいは,核心地域と呼べる。土地利用の空間的展開において,その集約度からも核心地域を設定できる。農業経営を視点とした土地利用景から,“チューネンの孤立国”モデルにおける,中心都市や自由式農業地域はそうである。また,都市域という地域スケールでは,さまざまな用途地域が展開するなかで,核心地域は,CBD(中心業務地区)と呼ばれるオフィス街や都心商店街となる。これらは,いわば,土地利用など地表面における現象・分布をとりあげた均質地域的な地域構造に着目した考え方である。

 これに対して,空間的な結びつき,関連をとらえる結節地域的な視点からは,次のような例があげられる。ある農産物生産地域において,農家から集荷し,市場へ出荷する集散地は核心地域である。また,ここは,需要や市場価格などの情報センターであり,買上げ代金を支払う金融センターでもある。自動車など組立工業においては,親工場は,周辺に立地する関連工場や下請工場から多数の部品を集めて組み立てるが,その地域的現象は,核心地域と従属地域という表現にあてはまる。都市と周辺との関係も,各種の財や情報のサービスを供給するところと,受けるところという関係から,中心地(核心地域)とサービス圏(都市圏)として特徴づけられる。

 核心地域は,こうした経済的活動の空間的展開のみならず,文化や政治的活動に関しても使用される。世界的には,キリスト教文化・仏教文化・イスラーム文化など,文化圏を形成する場合など,発祥の地や現在栄えている地方などに冠せられる。国家レベルでも,学術や文芸・技術などのとくに集中するところに対して称することができる。

 政治的な権力の集中する国または都市にも,核心地域と称する場合がある。第一次世界大戦前の西ヨーロッパ,第二次世界大戦後のモスクワやワシントンなどは,それぞれの時期の世界政治の核心地域である。