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●海洋の自由 かいようのじゆう

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 領海を除く海洋,すなわち公海はいずれの国の領域にも属さず,何人も他国の干渉を受けることなく利用できる。海は古くから開放的に利用されてきたが,国家権力の確立は海洋の分割・閉鎖化を招来した。1608年,オランダの法学者グロティウスは『自由海洋論』を公刊し,法理論をもって海洋の自由を強調した。18世紀にいたって領海と公海の分化が定着し,ここに「公海自由の原則」が確立した。具体的には「航行の自由」・「漁業の自由」・「海底電線とパイプライン敷設の自由」などがそのおもなものである。第二次世界大戦後,海洋資源管理の要請と沿岸国の管轄権拡大のため,従来の公海の一部が排他的経済水域として新しい法的地位をもつにいたった。もっとも交通通信については公海制度が適用されるというが,他の自由への影響は少なくない。さらに戦時における公海の自由がきわめて限定されることを認めるとき,今や“海洋の自由”は歴史的試練に立たされたとみなければならない。