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●解放の神学 かいほうのしんがく

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 1970年代に入るころから,世界的にほぼ同じ時期に現れたキリスト教のありかた,またこれまでの神学の姿勢を問い直す動きを示す神学の潮流。ほぼ三つの流れがあり,提唱者と傾向をまとめると,以下のようになる。

 解放の神学 グティユレツ.アルヴェスフレイレ−−ラテン=アメリカにおいて資本家の利益に従う形で教会が形づくられたことを批判し,社会の階級的区別を重視して,人間の解放を訴える。

 黒人解放の神学 コーン−−北アメリカにおいて,これまでの神学が白人の中産階級を中心に形成されてきたことを批判し,人種の問題を取り上げて神学のあり方に反省を迫る。

 女性解放の神学 リューサー.デーリー−−北アメリカを中心に,男性中心にこれまで神学が形成されてきたことを批判し,女性が人間として解放される必要を強調する。

 以上の3潮流には,それぞれの異なった主張点がみられる。解放の神学は第3世界の民衆に焦点を集中し,黒人解放の神学は黒人社会の現実を取り上げ,女性解放の神学は女性の問題に取り組むという動きを示している。しかしながら,これらの動きに共通するものを見出すことは,さして困難ではない。すなわち,これまでともすれば弱者として扱われねばならなかった人々に,人間としての権利が確保されるために,何がなされねばならぬかをキリスト教神学において,反省し吟味する試みとして理解しうるであろう。また同時にこれらの動きは,これまで神学がともすれば軽視しがちであった問題を指摘し,そのあり方に反省を求める姿勢をもっている。現代社会の厳しい現実と取り組むなかから生じた,実践的な性格と内容をもっている点は,その特徴として記憶されてよいものであると考えられる。