●懐風藻 かいふうそう
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現存する日本最古の漢詩集。751年(天平勝宝3)成立で全1巻。編者は淡海三船・石上宅嗣・葛井広成その他諸説あるが,いずれも確証はない。天智天皇時代から奈良時代にいたる大友皇子以下64名の作品120首を,ほぼ年代順,作者別に配列しており,大友,川島,大津皇子,釈智蔵,葛野王,釈弁正,釈道慈,釈道融,石上乙麻呂の9名にのみ略伝も付載する。長屋王の邸宅で催された詩宴など,公宴の場で詠まれた作品が多く,参会者は中下級の官人たちが目立つが,藤原不比等の四子のうち,長子武智麻呂を除く,房前・宇合・麻呂の3名もそれぞれ作品を残している。公宴詩の多くは儒教思想を背景とするが,当時の知識人層に浸透していた神仙説の要素もかなり看取される。作品の大半は五言詩で,109首を数え,七言詩は7首にすぎず,全体を通じて六朝・初唐詩の影響が顕著であるが,同時にそのころの文人の精神生活をもよく伝えている。