●ガイバ
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「不在」を意味し,シーア派においてイマームがこの世から隠れた状態をさすのに用いられる。“掩蔽”と訳される。この思想の起源は,685年のムフタールの乱にみられる。現在イランの国教である十二イマーム派においては,12代目イマーム,ムハンマド=アルムンタザルが“隠れた”877年以後,四人の代理人が任命され,イマームと信者の交信を仲介した期間(940年まで)を“小掩蔽時代”と呼び,それ以後イマームとの交信が途断えた期間を“大掩蔽時代”と呼ぶ。イマームがこの世から“隠れ”,人目の届かぬところで信徒の共同体を支配するという考えは,後代,すべての現世的支配者をイマームの権力の簒奪者とみなす思想に発展した。現代は,ガイバの継続と考えられ,イマームの“ルジューウ再臨”と,それに伴う公正と公平の到来に対する期待感は,信者の救済論と結びつき,信徒の宗教的緊張を維持する上で重大な役割を果たしている。