●廻船 かいせん
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中世から近世にかけて,商品を積んで行商する船や荷物の輸送に従事する大きな船をいう。中世ではおもに海上の行商に従事する船をいい,南北朝から室町時代に入ると海運の隆盛に伴い廻船の活動もますます盛んになった。江戸時代に入ると,商品流通の発達,とくに大坂を中心とする全国的市場圏の成立により沿岸航路が発達し,廻船も行商船でなく荷物輸送を専門とするものに変わっていった。江戸と上方を結んだ「菱垣廻船」や「樽廻船」はその例である。大坂より木綿・油・綿・酒・酢・醤油などを積んで江戸に送った菱垣廻船は1619年(元和5)に始まったというが,それよりのちに始まる樽廻船は酒荷を主としたのでその名があり,両者は江戸―上方海運で激しい競争を繰り返した。日本海には行商船である北前船が活躍し蝦夷地へ行く廻船もあったが,明治期に入って汽船の運行とともにその姿を消した。〔参考文献〕古田良一『日本海運史概説』1955,同文書院