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●華夷思想 かいしそう

アジア 中華人民共和国 AD 

 漢民族が自己の政治・文化を誇り,自民族こそは世界(天下)の中心で優れているとし,自民族以外の周囲の民族は未開で野蛮であると軽視し,夷狄であるとする考え方。古く西周時代から周囲の異民族を,東夷・南蛮・西戎北狄と呼んでいた。自己を華とし,他を夷とするところから華夷思想というが,自民族を誇る考え方なので,これを中華思想ともいう。しかし,漢民族のみが華であるというのではなく,徳のある人物が君主となって政治を行うという礼教が実現していることが,華であるという考え方である。たとえば,春秋・戦国時代の楚の国は,初めは夷狄とされていたが,その政治・文化の向上に伴って華の仲間入りをしている。この考え方は清朝末期にいたり,いわゆる列強の侵略によって大きな打撃を受けた。1911年の辛亥革命によって新しい政治体制が始まると,漢民族の過去の思想の特色の一つと考えられるようになった。