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●カイエ

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 陳情書のこと。15世紀末以来,全国三部会召集のさい,身分別に選挙民の苦情をバイヤージュ集会で蒐集・選別し,議員が三部会にもち寄って統一カイエにまとめ国王に上程するならわしであった。このうち,第三身分は,教区農民やギルドごとのカイエをバイヤージュ集会で練り直した。16世紀後半,1614年の三部会のときは3身分間の主張がかけ離れており,統一カイエは実現しなかった。1789年時は,異端者への市民権賦与に対する抗議・教区司祭の待遇改善(僧侶身分),全国三部会の定期会合・州制の擁護・栄誉特権の維持(貴族身分),タイユ(庶民の納める人頭税)や教会10分の1税の減免・塩税など間接税の弊害の指摘(第三身分)がみられた。隷農身分に由来する領主権は買戻しを妥当とする点で貴族・第三身分間に共通点もあったが,教区農民のカイエには領主貢租・狩猟権・封建的回収権への苦情が強く,共同体諸権利の擁護を求めており革命前夜の民意を示している。国民議会の成立後,統一カイエの起草は憲法草案の作成作業に道をゆずった。