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●隠田 おんでん

アジア 日本 AD 

 国や領主に隠して,ひそかに耕作し,年貢やそのほかの租税を納めない田地のことで,かくしだ・ほまちだなどともいう。畑の場合はかくしばた(隠畠)といい,これらを総称しておんち(隠地)と呼ぶ。奈良時代以降,各時代に隠田を取り締まる法令が出され,国も荘園領主もこれを固く禁じ,太閤検地にはじまる江戸時代の検地でも摘発に努めたが,明治時代の地租改正まで存在した。奥深い山中や谷あいなどの役人の目の届かぬところを開拓するものであるが,中世から近世にかけて,戦乱の落ち武者や戦禍を避けた人々が,防衛にも適した山間を開き,集落を形成する例もみられた。これを隠田集落という。岐阜県白川郷,徳島県祖谷山,宮崎県椎葉,米良荘などはその例で,このような隠れ里には,隔絶した生活が続いたため,古い民俗がみられる。

〔参考文献〕『日本民俗誌大系』第10巻,1976,角川書店