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●園城寺不動明王像 おんじょうじふどうみょうおうぞう

アジア 日本 AD 

 身色を黄色に彩色しているため,俗に黄不動と呼ばれている平安前期の画像。絹本着色の絵で,大きさは縦が178.0cm,横が72.1cmである。黄不動像は,身色だけでなく,形も通常の不動像とは違っていて,台座や童子は描かれておらず,虚空を踏んで正面向きに直立する不動明王だけが,画面いっぱいに大きく描かれている。不動明王は,右手に宝剣,左手に羂索をとる姿であるが,筋骨たくましく表現され,四肢には力こぶを,また口元には上に向く両牙を描き,眼には金箔や切金(きりかね)を用いて金色に輝かせるなど,威力に満ちた忿怒の形相を表している。この絵は,838年(承和5)に,石龕で坐禅中の円珍が感得した姿を画工に描かせたものと伝えており,画風もそのころのものとされている。黄不動像は,円珍不動明王信仰を具現した根本像として,平安末期ごろ盛んに模写された。いま京都の曼殊院に伝わるのはその一例である。