●音楽鑑賞 おんがくかんしょう
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鑑賞を一般にappreciationと英訳しているが,これはラテン語のappretio(評価する・鑑定)を語源とする。音楽鑑賞とは,ただ単に音楽を聞き楽しむ形態のみをさすのではなく,知的理解を伴った音楽の享受であるとともに,その音楽作品に対する評価が含まれる。音楽鑑賞には主観的感情的に味わう態度と,客観的分析的に把握する態度とがあり,前者の傾向はおおむね初心者がとりやすく,またロマンティックな作品のききとりの場合に片寄る傾向がある。これらの二つの態度は両者が相俟ってこそ理想的な鑑賞となる。音楽鑑賞は古くはおもに貴族社会・上流社会における催しの一つの形態であった。それがヨーロッパにおいてはベートーヴェンの時代から貴族社会・上流社会を出て,一般大衆を対象にした音楽会として定着してきた。また1877年エディソンの蓄音機の発明により,円盤レコードが開発され,音楽鑑賞の重要な役目を果たすようになった。音楽鑑賞によりわれわれ人間は人格形成の上で,その重要性を考えるべきであるとともに,その一面としてカタルシス的効果のあることも見逃してはならない。〔参考文献〕茂木勇・増田信編『高校教育総合辞典・第2巻』1983,第一法規
下中邦彦編『音楽大辞典』1982,平凡社
有坂愛彦著『音楽鑑賞法』1982,音楽之友社