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●蔭位の制 おんいのせい

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 父祖の蔭によりその子・孫が21歳以上になったときに一定の位階を与えられる制度。古代貴族の特権の一種。律令制では,蔭位資格者は皇親・五世王の子,諸臣三位以上の子・孫,五位以上の子である。勲位・贈位も蔭位の適用を受ける。親王の子は従四位下,諸王の子は従五位下,五世王の嫡子は正六位上,庶子は一階を降す。諸臣一位の嫡子は従五位下,以下逓減して従五位の嫡子は従八位上。庶子は一階を降し,孫はまた一階を降す。蔭位の制は唐制に倣ったものであるが,唐制では蔭位資格者は皇帝・皇太后・皇后・皇太子妃などの親戚にも及び,諸臣では三品以上が曽孫,五品以上が孫にまで及ぶなど範囲がひろがった。日本の場合,唐制より適用範囲は狭いが蔭子・孫に授与される位階は著しく高く,かつ授位年齢も唐制の25歳以上に対し21歳以上とした点も特徴である。

〔参考文献〕野村忠夫『律令官人制の研究・増訂版』1970,吉川弘文館